EFFICさん、、、実は相談ごとなのですが。。。
こんにちわTAKOさん。
何かありましたか?
その、、、友人に投資を薦めようと積立NISAとかiDeCoの話をしてあげたんですけど、その友人から「いや、でも投資って聞こえが悪いかもしれないけどギャンブルでしょ。お金が減る可能性もあるし、怖いから遠慮しておくよ。」って言われてしまいまして。
ふむふむ。
ギャンブルって言われてみると、確かにギャンブルになっちゃうのかなって思ったら途端に不安になって。EFFICさん、投資はギャンブルになってしまうのでしょうか。
なるほどなるほど。
結論を言ってしまうと、「投資の種類や方法の中には、ギャンブルに近い投資も存在する。」と言ったところでしょうか。
「投資の種類」や「投資の方法」ですか。
はい。
ではその前にまず、ギャンブルと投資の特徴について説明していきます。
目次
ギャンブルと投資の違い
ギャンブルの特徴
その1 高い手数料(運営料)を自動的に胴元に支払っている
まず、一般的にギャンブルと呼ばれるものは古いものでは半丁博打(サイコロの出た目が偶数か奇数かを当てるギャンブル)から、現在ではカジノ、宝くじ・サッカーくじ、パチンコ・パチスロ、競馬、競輪・競艇などが主流ですが、これらに共通する点は分かりますでしょうか。
う~ん、そうですね。共通する点、共通する点。。。イメージですが、どれもマイナス収支で終わってしまう人が多い点でしょうか。
そうですね。確かにマイナス収支で終わってしまうプレイヤーが多く、一部のプレイヤーのみがプラス収支となります。この点は、どのギャンブルにも共通する点と言えます。
ですが実は、どのギャンブルにも共通して「プレイヤー以外に、プラス収支」となっている人が居ます。それは誰でしょうか。
その他ですか?う~ん。。。
答えは「運営者」ですよね。
あれ、IKAさん居たんですか!
話し声が聞こえてきたので、気になって来ちゃいました。
IKAさん、大正解です!
ギャンブルと言われるものは基本的に、運営者(胴元、ディーラー)がプレイヤーから手数料(運営料)を自動的に徴収しています。運営者側には、運営費用がもちろん掛かりますが継続して経営できているということは、それだけ参加者から運営料を徴収していると言うことになります。
そして、運営者が徴収している手数料(運営料)の割合は、「パチンコ・パチスロでは約10~20%」「競馬・競輪等の公営ギャンブルでは約25%」「宝くじ・サッカーくじでは約50%」と言われています。
~購入者が運営者(胴元・ディーラー)へ支払っている運営料の割合~
パチンコ・パチスロ・・・約10~20%
競馬・競輪・・・約25%
宝くじ・サッカーくじ・・・約50%
宝くじ・サッカーくじでは50%も手数料として徴収されているんですか!?
そうなんです。なので例えば、「宝くじ・サッカーくじ」の場合、1000円分を購入した際には約500円分が手数料(運営料)として自動的に差し引かれているということになります。
そして、それぞれ手数料から「還元率(払戻率)」を逆算すると「パチンコ・パチスロでは約90%~80%」「競馬・競輪では約75%」「宝くじ・サッカーくじでは約50%」となります。
~還元率(払戻率)とは~
仮に、パチンコ・パチスロを「還元率90%」とした場合に「10万円」を使った場合、戻ってくる金額は 10万円 ×(90% / 100%)=9万円となり、長期間であればあるほど、この還元率に沿った金額が払い戻されます。
還元率は、各公営ギャンブルの管轄庁(警察庁、総務省、経済産業省等)にて管理・運営されており、法律で定められています。法律により定められた還元率を上回ることは無く、必ず定められた還元率に収まります。
このように、購入者は知らず識らずのうちに高い手数料(運営料)を支払っており、購入者がプラス収支となりにくい仕組みになっているのが現状です。
★ギャンブルは、実は運営手数料を支払っている。
★高額な運営手数料を払っている(=還元率の低い)ギャンブルほど、勝率は低くなる。
その2 ギャンブルは「マイナスサムゲーム」である
また、ギャンブルは「マイナスサムゲーム」と呼ばれています。
~マイナスサムゲームとは~
複数の人が相互に影響しあう状況の中で、全員の利得の総和が常にマイナスになること、またはその状況。
う~ん、説明を見てもよく分からないのですが。。。
例として、宝くじの場合で説明します。
例えば、全国の宝くじ売り場の「売上げ合計が1000万円」だった場合、「還元率は50%」なので「500万円を当選者に配分」となります。
もっと極端に言うと、1000万円分の宝くじを「全て1個人が買い付けた場合」であっても、「戻ってくる金額は500万円」となります。
なるほど、これだと分かりやすいです。
というか宝くじってこんなに低い還元率なんですね、、、
はい。そしてこのように、「全体の金額(プレイヤー全体の購入額)」に対して、「全体の金額よりも戻ってくる金額が少ない場合」を「マイナスサムゲーム」と呼びます。これは裏を返せば、差し引かれた金額分、参加者の中でマイナス収支の人が発生しているということになります。
★マイナスサムゲームは、
「購入者全員がプラス収支になることはない」
投資の特徴
その1 手数料が安い(胴元に支払う手数料(運営料)が無い)
では続いて、投資(株式投資、ETF、不動産投資など)の特徴ですが、ギャンブルの手数料(運営料)のように、胴元(運営者)に支払う手数料はありません。
そっか。
運営者に支払う運営料はかからないんですね。
また、投資(株式投資、ETF、不動産投資など)には売買手数料が発生いたしますが、こちらは取引代金の0.1%程度であり、さらには「売買手数料無料」の証券会社もある程に低単価となっております。
売買手数料が無料なのは魅力的ですね。
★胴元(運営者)に支払う運営料がない(売買手数料は少額かかる)。
★売買手数料が無料の証券会社もある。
売買手数料は、条件や取引の種類によって適用可否が異なります。
詳細については、ご利用の証券会社ホームページ等をご確認下さい。
その2 投資は「プラスサムゲーム」である
~プラスサムゲームとは~
複数の人が相互に影響しあう状況の中で、全員の利得の総和がプラスになること、またはその状況。
先程、ギャンブルの特徴は「マイナスサムゲーム」であると説明しましたが、これに対して投資は「プラスサムゲーム」と呼ばれています。
そしてプラスサムゲームは、「全体の金額(株式購入者全体の購入額)」よりも、「戻ってくる金額が多い場合」の事柄を指します。
そのため、購入者全員がプラス収支となる場合も少なく有りません。
そしてプラスサムゲームとなる要因として、以下が挙げられます。
~プラスサムゲームとなる理由~
・投資先の企業の株価が値上がりすることで「値上がり益」が得られる。
・投資先の企業株式を一定期間保有することで「配当益」が得られる。
★プラスサムゲームは、
「購入者全員がプラス収支となり得る」
でも、投資した企業の株価が下がった場合「値上がり益」と「配当益」は期待できないのではないでしょうか。
確かに、個別株への投資では継続的な株価の上昇が見込めない場合もあります。しかし、以前投稿した記事で説明したS&P500であれば、「一時的・突発的な下落はあるものの、長期間でみると基本的に右肩上がりであると歴史的に証明」されています。つまり、このS&P500であれば、「購入者全員が長期の取引」を行うことで、「全員がプラス収支となり得る」でしょう。
もちろん、あくまで”過去のS&P500のチャートがプラスだった”というだけで、”必ず未来も同じ様にプラスになるか”と言われれば”100%そうであるとは言い切れません。”
ですが、そんな「不安」も下記の記事で「解消」できる「材料がキチンとある」ことを説明しておりますので、気になる方は是非ご覧ください。
ギャンブルに近い投資とは
これまで、投資とギャンブルの違いについて説明しましたが、実は、投資の中にもギャンブルに近いものがあります。それは、以下の通りです。
~ギャンブルに近い投資~
・「FX取引(仮想通貨取引)」、「先物・オプション取引」、「CFD取引」etc…
聞き慣れない投資法が並んでいます。。。
聞き慣れないものもあると思いますが、これらの取引は投資ではなくギャンブルに近いと言われています。そして、その理由としてこれらが「ゼロサムゲーム」である点にあります。
「ゼロサムゲーム」とは
~ゼロサムゲームとは~
・「勝者の人数=敗者の人数」のように「勝者と敗者が同数」である事柄
・「プラス収支の合計」と「マイナス収支の合計」を合計すると「ゼロ」になる事柄
一般的な例として「将棋」や「オセロ」は、勝者と敗者が同数になるのでゼロサムゲームと言えます。
また、ここではFX取引で例を示します。
~FX取引とは~
異なる通貨(円やドルなど)で通貨同士の売買を行い、買った時点と売った時点の差額の金額で利益を狙う取引のこと(差金取引)
例えば、1ドル=100円の時に「100円で1ドルを購入」します。そしてその後、1ドル=102円になった時に「1ドルを売却」します。そうすることで、102円が得られます。これを何度も繰り返し、利益を増やしていくのがFX取引の特徴です。
確かに、繰り返すことができればどんどん増えていきそうですね。
はい。ですが、実際にはこれを繰り返すことはとても難しいです。
先程も説明した通り、差金取引はゼロサムゲームです。そして、ゼロサムゲームでは、常に勝者と敗者が一定になります。詳しい説明は省きますが、「自分がプラス収支となった時、その価格分、誰かがマイナス収支となっています。」
また、差金取引では値動きに敏感に反応する必要があるので、時間と労力が必要となります。
仕事や家事をしながらFX投資に時間を取られるのは大変ですね。。。
はい。私自身、だいぶ昔にFX投資で痛い目に合ったことがあるので、あまりオススメはできません。(汗)
(あ、そうなんだ。。。)
EFFICさんEFFICさん、安い価格の時に買って高い価格の時に売る(差金取引)というのは、「株取引とも似ている気がする」のですが、どう違うのでしょうか。
はい。確かに株取引(ETF、投資信託)でも売買で利益を上げることとなりますが、株取引では「差金取引による利益」ではなく、株式の長期間の保有による「値上がり益」が収益の主となります。
そのため、「株取引(長期投資)」≠「差金取引」となります。
★ FX取引など「差金取引」により利益を上げる取引は「ゼロサムゲームである」
★ ゼロサムゲームは、「常に勝者と敗者が同数となる」
★ 株取引は「値上がり益」を主とする為、「ゼロサムゲームではない」
まとめ
以上の特徴と違いを比較すると以下の表のようになります。
マイナスサムゲーム | ゼロサムゲーム | プラスサムゲーム | |
特徴 | 参加者全員が、勝てない (負けることが多い) |
参加者全員が、勝てない (勝者と敗者が常に同数) |
参加者全員が、勝てる (勝てることが多い) |
勝率 | 20%~30% (人生トータルだと9割9分マイナス収支になる) |
50% (知識・経験のある人が有利+生まれ持ったセンスが必要) |
80%~100% (知識・経験が無くても正しく運用できれば、勝てる) |
例 | 宝くじ、競馬、パチンコ | FX取引、先物取引、CFD取引 などの、「短期投資」 |
株取引、ETF、投資信託などの「長期投資」(積立NISAやiDeCoを含む) |
運営手数料 | 高い | 無し | 無し |
売買手数料 | 無し | 低い | 低い |
プラスサムゲームが資産運用に適している事は一目瞭然ですね。
はい。また、積立NISAやiDeCoは「プラスサムゲーム」、かつ「節税」「免税」を受けられるので、とても合理的な投資法であると言えます。
確かにそうですね。これで友人にも、自信を持って投資とギャンブルの違いについて説明できそうです。
マイナスサムゲームやギャンブルに近い取引(ゼロサムゲーム)では、一瞬の利益が高くどうしてもそちらに目が行きがちですが、「将来のために資産を増やしたい」という目的であれば、やはりプラスサムゲームを選ぶことが好ましいでしょう。
では今回はこれぐらいで。
今回もご一読頂きありがとうございました。
内容でわかりにくいところ、気になるところがございましたら、
お気軽にコメントやメッセージ頂ければ幸いです。
それでは。

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