目次
余談
EFFICさん聞いて下さい!!始めたつみたてNISAなんですけど、今のところ良い調子で利益が出てきているんですよ。
なるほどなるほど、それは良いことですね。
はい!!
でもTAKOくん、“油断は禁物”ですよ。
え? でも利益が出ているから問題ないんじゃないですか??(確かに少し気が緩んでいるかもしれませんが。。。)
確かに利益を得ることは喜ばしいことですが、利益が出たからといって安心し過ぎると痛い目を見るかもしれません。
そ、そうなんですか!?
はい。では今回は、せっかくの利益が無駄にならないよう、投資初心者にありがちな、つみたてNISA・iDeCoの間違った運用方法をあげていきます。
つみたてNISA・iDeCoの間違った運用方法
株価下落時に売却(損切り)をしてしまう
~損切りとは~
価格が下落した際に、購入時の金額よりも「安く売却」し「損失を確定」させること
突然ですが、ここでクイズです🚨
Q1. つみたてNISAは、積み立てた商品を「途中で売却」することは可能でしょうか?
う~ん、確かできたような・・・
そうですね。いつでも、自由に売却可能だったと思います。
正解です!!
A1. 積み立てた(投資)商品はいつでも、自由に売却できます。
Q2. ではそれ踏まえて、例えば、保有していた銘柄に「1ヶ月で-50%の損失が発生」した時、みなさんは売却しますか?
「-50%」ですか!!そんなにマイナスになったら、いつ価格が元に戻るか不安なので、一度「売却」して様子見すると思います。
確かに、、、でも、私の場合は「積立額が少なければ、損失も少ない」ので「売却せず」持ち続けるかもしれません。
A2. TAKOくんは、「売却」、IKAさんは金額によっては「売却せず」に持ち続けるということですね。
ではIKAさんにもう1つ質問です。
Q3. 先程の例で、これまで積み立てた金額が200万円あった場合はどうでしょうか。
う、200万円ですか。。。200万円から-50%の損失ということは、100万円の損失ですよね。この金額が損失となると、金額が金額ですし、さすがに不安なので「売却」してしまいます。。。
A3. IKAさんもこの場合だと「売却」してしまうという意見ですね。
EFFICさん、僕らの行動はどうなんでしょうか?
残念ですが、途中売却する行為は誤りです
そうなんですね。。。
ダメでしたか・・・でも、大きな損失を抱えたまま運用するのはとても気が重いです。。
気が重たいという気持ちも十分理解できます。
ですが、投資を初めて間もない方が、損切り(売却)を行うと高確率で失敗します。
そうですよね。。。でも、-50%ですよ?取り戻すのにすごい期間がかかっちゃうじゃないですか。
確かにとても時間がかかるかも知れません。
もし自分も、何も知らない状態で同じ状況に陥ったら想像以上に不安になると思います。
何も知らない状態で、っていうことは何か情報があるのでしょうか。
はい。そういった際の「知識」と「対策」がいくつかありますので紹介します。
【対策1】基本的に「経済は右肩上がり」であることを理解する
下記のグラフは「S&P500」の「過去25年間」のチャートです。
(つみたてNISAでは、2042年まで=約20年間積み立てることができますが、それよりも5年間長いグラフとなっています。)
~S&P500とは~
アメリカの代表的な500種類の銘柄の株価を基に算出された経済指数
出典:https://finance.yahoo.com/
(ちなみに、「S&P500」について詳しく知りたい方は下記の記事をご参照ください。)
S&P500と言うアメリカの代表的な指数で見ると、一時的な下落はあるものの、一定して右肩上がり(上昇)している事がわかります。
確かに、このグラフを見ると右肩上がりですね。
なのでもし、株価が下落した際に積み立てた金額を売却(損切り)すると、売却分の再買付がうまくできなければ、その後の上昇に乗り遅れる可能性があります。
つまり、再買付を自力で上手くこなせる自信がない場合、売却は行うべきではないと言えるのです。
自分で株を買付するとなると、タイミングを測る必要がありますが、投資初心者には厳しい判断ですね。
確かに。しかも、日々の値動きを見張らないといけなくなるので、時間を取られそうです。
【対策2】日常生活に影響が出るような「無理な積み立てはしない」
先程、IKAさんは、200万円の投資に-50%の損失が発生した時、売却すると判断していました。
はい、-100万円には耐えられないと思いました。
これはつまり、IKAさんにとって「100万円は大金である」ということになります。
100万円って誰にとっても大金ではないんですか?
もちろん、100万円は大金です。ですが、もし「自分の資産が100億円」あったならどうでしょうか?
「自分の資産が100億円」ですか・・・100億円あったら、そのうちの100万円がマイナスになってもダメージは少なそうです。
確かに、100億円資産があったら、話は変わってきますね。
そうなんです。
「自分の資産が100億円あれば、100万円は大金ではない(と感じやすい)」ということになるんです。
つまり投資は、自分の総資産と投資額の割合を考えながら「余裕資金」で行うべきであるといえます。
ある程度の下落も無視できる割合での投資が大切なんですね。
その通りです。
なので、もし現状で、「利益を最大限に享受するため」という思いなどから、余裕資金以上の投資を行ってしまっている場合は、投資割合を見直すことをオススメします。
確かに、そのまま投資生活を進めてしまうと、一時的な下落の際に耐えられなくなって、積み立てた金額を売却(損切り)してしまうことになりかねないですしね。
さらに、たとえ損切りを耐えられたとしても、すぐに株価が回復するわけではありません。
いつ終わるか分からないマイナスの状態から精神的ストレスが積み重なり、仕事や人間関係、家族との暮らしにまで悪い影響が波及する可能性も否めません。
仕事や人間関係などに影響が出るとなると、さらに良くないですね。
【対策3】自分の「資産状況を把握する」
先程も少し触れましたが、投資は、自分の資産状況をしっかりと把握することが大切です。
具体的には、以下の通りです。
資産状況のチェック項目
・毎月の支出はどれくらいなのか
・今後大きな出費が発生することはないか
・自分の総資産がいくらあるのか
・総資産に対して投資額の割合はどれくらいなのか
「保有資産の把握」と「支出の管理」を計画的を行うことで、正しく積立投資を行うようにしましょう。
また、総資産や投資額の割合、毎月の支出の管理にオススメなのが「家計簿アプリ」です。(「家計簿アプリ」について詳しく知りたい方は下記の記事をご参照ください。)
【対策4】過去の「下落幅を理解する」
ここで再度、先程の「S&P500」のグラフに戻りますが、グラフから何か気が付くことはないでしょうか。
出典:https://finance.yahoo.com/
そうですね。2000年の後半から2003年の前半にかけて、長らく下落が続いている点でしょうか。
そうです。
この25年間という期間で「最も長い下落期間」は、2000年の後半から2003年の前半の「約3年間」となります。
そして、この3年間では約45%もの下落となっています。
45%減ですか。。。しかも、3年間もの間ずっと下落が続いていたとなると、もし当時積み立てしていたらなんて考えると気が気じゃないですね。。。
TAKOくんの言う通り、できれば避けて通りたい状況でがありますが、いずれ発生してしまう可能性は十分にあります。
ここで注意したいのが、「(S&P500への投資の場合)3年間で-45%という下落が発生する可能性があることを理解する」ということです。
「こういった下落もあり得る」ことだと「理解し、心構えをしておく」ことで、実際に今後、株価の下落が起きたとしても精神的に余裕を持つ事ができ、損切りに手を出しにくくなります。
【余談】実は・・・
これだけ情報があれば、なんとか損切りを回避できそうですね。
あ、それと余談ですが、実は人間の脳の構造上、負(マイナス)の状況を耐えるようにはできていないらしいです。
なので、損失が発生する→本能的に脳が早くマイナスの状態から脱却しようとする→売却(損切り)をするということは自然の摂理ということです。
脳の構造上、、、え、じゃあ今までの対策も無駄なんじゃないですか!!??
そうですね。前述の通り、耐えられない人はどれだけ対策しようと、少しの下落でも耐え難いということになってしまいます。
ここに来て衝撃の事実です・・・
しかしそれでも、人それぞれ許容量は違うと思いますので、まずは対策をきちんと知ることが大事だと思います。
そして、下落時に上記の対策で納得できるかが、自分の性格(ストレス耐性)を知るいい機会になります。
耐えられるようであれば、投資割合を増やし、厳しいようであれば、投資割合を減らす、これを繰り返して徐々に自分にあった投資法に近づけていけば良いでしょう。
※「損切り」しても良い状況は?
ここまで「損切りは行うべきではない!!」としてきましたが、もちろん、例外はあります。
例外ですか?どんな場合でしょう。
例えば、「年齢的に人生を引退する予定が近い場合」などです。
重要なことだとは思いますが、いざ考えるとなると気分が落ち込みますね。。。
人生の終わりについて考えるのは確かに辛いですが、考える余裕のあるときに考えておかないと、”いざという時”にもっと辛い思いをする可能性もあります。
(いざという時・・・)
「できる時」に、「できる範囲」で考えましょう。
先程の話に戻りますが、詳しく説明すると、残りの人生が少ない場合、「損失を巻き返せる可能性(時間)」と「残りの人生」を天秤にかけた時、損切りした方が良い(無難)となる場合があります。
以下に、例を上げます。
Aさんは、来年から年金暮らしを控えていますが、老後は余裕のある生活をしたかったので、これまで資産運用を(余裕資金で)行っていました。
ですが、ここで先程の「-50%の株価の暴落」に見舞われます。
これに伴ってAさんの運用資産も半分になっていまいます。
そして、このまま資産が減り続けると、来年から控えている年金生活が心細いものになりかねません。
また、-50%の株価の暴落から回復する見込みは、数十年先になる可能性さえあります。
そこでAさんは、「運用益(利益)は半分になってしまったが、残りの人生がいつまで続くか分からないから、老後の資金に充てるため現金にしよう」と決断し、”損切り”を確定しました。
といった具合です。
確かに、これなら損切りも納得できますね。
残りの人生=資産運用のリミットです。
損失を負って売却する必要があることも、頭の片隅に置いておいた方が良いでしょう。
途中解約(積み立てを停止)してしまう
先ほど、(アメリカの)経済は基本的に右上がりで、下落は一時的なものであると説明しました。
長い目で見ると、そうなるみたいですね。
そして、つみたてNISA・iDeCoは、それぞれ積立期間は限られています。
「つみたてNISAは2042年まで」、「iDeCoは60歳になるまで」でしたよね。
では、これらの情報から、途中解約(積み立てを停止)してしまう、どんなことが予想できるでしょうか。
「積み立て期間は限定的」で、「経済は基本的に右上がり」なのに、途中で積み立てを止めちゃうってことは、、、
せっかくの積み立て期間中の節税メリットが減ってしまいますし、経済指数(株価)が上昇したときの利益も少なくなてしまうということでしょうか?
その通りです。
途中解約(積み立てを停止)することで、「積み立て期間の節税メリットが減少」し、さらに、「経済指数(株価)下落後の上昇による利益(利幅)の減少」となってしまいます。
このように、積み立てを停止するだけでも利益の減少に繋がりますので、注意しましょう。
【対策】は「損切り」の時と一緒です。
こちらの対策も、「損切りの対策」と同様、【対策1】基本的に「経済は右肩上がり」であることを理解する、【対策2】日常生活に影響が出るような「無理な積み立てはしない」、【対策3】自分の「資産状況を把握する」、【対策4】過去の「下落幅を理解する」となります。
もう一度読みたい方は、右記の目次をご参照ください。
(スマートフォンでご覧の方は、上にスワイプすると右下に目次ボタンが表示されます。)
まとめ
皆さん、いかがだったでしょうか。
正直、調子良く運用できていたので、悪くなったときのことを考えていませんでしたが、今のうちに勉強できてよかったです。知らないまま運用していたら、これから先の経済の下落時に積み立て分の売却や停止をしてしまっていたと思います。
そうですね。下落に備える対処法や情報をいくつか得られたので、下落時にも周囲の雰囲気に流されて間違えた運用をしないようにしたいと思います。あと、自分の生活に合わせた無理のない積み立てができるよう、日々の支出や現在の資産を整理しようと思いました。
この記事をご覧になっている方の中には、つみたてNISAやiDeCoを始めたばかりで、既に損失が発生してしまっている方も居るかも知れません。
ですが、長期的に見れば経済は上昇していることは明らかです。
そして、下落も一時的なものばかりです。(投資銘柄によります。)
繰り返しとなりますが、損切りや積み立ての開始・停止を操作することは、高確率で損失となりますので、ご注意下さい。(稀に、投資初心者の方でも抜群の投資センスをもった「宇宙人」がいますが、その宇宙人になれる人は一握りです。初めのうちは「損切り」や「積み立ての開始・停止」は行わないほうが吉でしょう。)
つみたてNISA・iDeCoは「長期投資」であることをお忘れなく。
今回も、長文をご一読頂きありがとうございました!!m(_ _)m
また、内容でわかりにくいところ、気になるところがございましたら、
お気軽にコメントやメッセージ頂ければ幸いです!
それでは!

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