みなさんこんにちは。
既にご存じの方も居るかと思いますが、2024年から新NISAが始まり、既存のNISAにいくつか変更があります。
今回はNISA改正によって、ジュニアNISA、現行NISA、新NISA、つみたてNISAがどうなるのか + 新NISAとつみたてNISAどっちがオススメなのかについて解説します。
目次
NISA改正によってどうなるか
まずは比較表です
まずは、ジュニアNISA、一般NISA、新NISA、つみたてNISAの比較表を作成しましたのでご覧ください。
スマホ用の画像リンクも用意しています。
ジュニアNISA | 一般NISA | 新NISA | つみたてNISA | |
対象者 | 満20歳未満 (2023年1月1日以降は18歳未満) | 満20歳以上(2023年1月1日以降は18歳以上) | ||
口座開設期間 | 2016年~2023年まで | 2024年~2028年まで | 2018年~2042年まで | |
非課税期間 | 最長5年(※1) | 2階 5年間 1階 5年間(終了後「つみたてNISA」へ移行可能) |
最長20年 | |
対象商品 | 国内株式・外国株式・投資信託 | 2階 上場株式・公募株式投資信託等(※2) 1階 国が定めた基準を満たした投資信託 |
国が定めた基準を満たした投資信託 | |
年間投資上限額 | 80万円 | 120万円 | 2階 102万円 1階 20万円 |
40万円 |
口座開設可能数 | 1人1口座(ジュニアNISA、一般NISA、新NISA、つみたてNISAの内、選択できる制度は1つのみ。同時に重複利用不可) | |||
※1 | ロールオーバーにより、最大5年延長可能(条件あり) | |||
※2 |
レバレッジ型投資信託、及び、上場株式のうち「整理銘柄」、「監理銘柄」を投資対象から除外。 |
次項からは、変更点を踏まえて、NISA制度の種類別に解説していきます。
ジュニアNISAは「廃止」される
まずは1つ目のジュニアNISAですが、こちらの制度は「2023年12月末で廃止」されます。
え、ジュニアNISAって廃止されちゃうんですね…😧
そうすると、これまで続けていた方は、廃止された後ってどうなるんでしょう。
ジュニアNISA廃止後、続けていた方ができることは以下の2点となります。
廃止後にできること①資産を引き出す
1つは、「ジュニアNISAの口座から資産を引き出す」です。
2023年12月末のジュニアNISA廃止までに運用を終了(資産を売却)することで、現金で引き出すことができます。
あれ、でもジュニアNISAには「原則、口座開設者(未成年者)は成年になるまで保有資産の払い戻しが不可」という制限がありませんでしたっけ?
確かに。ジュニアNISAは、「進学や就職などの子どもの将来ための資産形成を目的としているからできない」となっていたような…
はい。しかし、NISA改正により、「2024年以降は、年齢や事由を問わず、保有している株式・投資信託を売却・現金化してお金を引き出すことが可能」になりました!!
2024年以降は、「誰でも制限なく」現金を別の口座に移すことが可能になったんですね。
ちなみに、これまでのジュニアNISAの規定に則り、2024年になるまでは、原則、18歳まで保有資産の払い戻しはできません。(どうしても払い戻ししたい場合は、ジュニアNISAのメリットである非課税という点を捨てて、課税された金額にて払い戻すことは可能です。)詳しくは、以下の画像、及び、金融庁HPのリンクをご覧ください。
引用:金融庁HP「ジュニアNISA」のポイント より
また、「2023年12月末までに売却しなかった場合、2024年1月以降は、自動的に非課税口座から課税口座へ切り替え」となります。2023年12月末までに得た利益には課税されませんが、2024年1月以降、課税口座で運用することにより発生した利益は課税対象となりますのでご注意ください。
廃止後にできること②18歳まで非課税で継続運用(最大5年間)
もう1つの選択肢は、「ジュニアNISA廃止後も非課税で継続保有する」です。
尚、こちらには以下の条件があります。
ジュニアNISA廃止後も非課税で継続保有する条件
・非課税期間は最大で5年間
・口座開設者(未成年者)が18歳になるまで
・新規で株式を購入することはできない
つまり、「既に保有している株式・投資信託」であれば、「18歳になるまで、最大5年間で非課税運用を継続することができる」ということです。
尚、「非課税運用を継続」する場合、5年間の非課税期間が終了する前に手続き(ロールオーバー)が必要なので注意です。
ロールオーバーについて詳しくは、以下の画像、及び、金融庁HPのリンクをご覧ください。
引用:金融庁HP「ジュニアNISA」のポイント より
う~ん…画像を見てもよくわからないのですが…
ちょっと情報量が多いです…
言われると確かに…分かりやすくするため、例を挙げて説明します。
ロールオーバーとは
引用:金融庁HP「ジュニアNISA」のポイント より
上記は先程の表です。
ジュニアNISAの年間80万円の非課税枠には、5年間の期限が付いています。
これは仮に(以下、「例1」とします)、2019年に80万円投資していた場合、その投資分は、5年後の2024年で「非課税期間を終了」となるということです。
2018年に80万円投資していたら期限は2023年(2022年12月末)、2017年に投資していたら期限は2022年(2021年12月末)ということになります。
通常、”何もしなければ”この期限を過ぎると、「自動的に課税口座で運用へ変更」となります。
しかし、この期限を延長する方法が「ロールオーバー」になります。
つまり、「例1」の場合、2023年12月末までにロールオーバーを行えば、2019年に投資した分が、翌年から最大で5年間(2028年12月末まで)は非課税投資期間が延長できるということになります。
ロールオーバーは、非課税期間を延長するための措置なんですね。
注意:ジュニアNISAの場合、年齢は18歳未満である必要があります。ロールオーバー後に18歳を超える場合、その前年にジュニアNISAは終了となり、①売却・現金化、②新NISA、または、つみたてNISAに移行、③課税投資に移行、のいずれかを選択となります。
オススメの立ち回り
以上から、ジュニアNISA利用者が廃止前にできることをまとめると以下の通りとなります。
・2023年末までにロールオーバーして最大5年延長
・ジュニアNISAで運用した商品を売却、現金化
・現金化した後、新NISA、または、つみたてNISAに乗り換え
・現金化した後、課税口座にて投資
この中でオススメの立ち回りは、「ロールオーバーで最大5年延長」、もしくは、「新NISA、または、つみたてNISAへ乗り換え」です。
2番目の「現金化して終了。その後、非課税投資をしない。」という選択は、この先、長い人生があることを考えるとあまりオススメはしません。
「一般NISA」は「新NISA」に移行する
続いて、現行の一般NISAは「2023年12月末に終了し、2024年から新NISAにリニューアル」されます。
一番の変更ポイントですので、しっかり説明します。
一般NISAと新NISAの違い
「一般NISA」と「新NISA」の主な違いはコチラです。
引用:楽天証券「新NISA制度について」 より
新NISAでは、「年間102万円までの非課税枠(2階部分)」と「年間20万円までの非課税枠(1階部分)」の「2階建て構造」になります。
そして、2階部分は「一般NISAと同様の対象商品・買い方」、1階部分は「つみたてNISAと同様の対象商品・買い方」となっています。
つまり、新NISAでは、「一般NISA」と「つみたてNISA」を組み合わせて運用となることが分かります。
また、より詳しい内容の図は以下の通りです。
引用:楽天証券「新NISA制度について」 より
注意点
ここで注意が必要なのが、2023年までにNISA口座を開いていない人、および、投資未経験者が株式投資をする場合は、「新NISAの2階部分だけを運用することはできない」という点です。
え!?そうなんですか😧
はい。もし、新NISAで2階部分だけを利用したい場合、「2023年までにNISA口座を開設する」、または、「投資経験者」である必要があります。
2022年はもう終わっちゃいますよ!!
確かに…
ただ、2階部分だけ非課税枠を利用する場合、1階部分の非課税枠を無駄にすることになる為、あまりメリットは無いように感じます。なので、焦らなくても大丈夫です。
一瞬焦りましたが、それなら良かったです😥
これに伴い「非課税期間が延長、2023年までロールオーバー可能に」
以上の改正に伴い、一般NISAのロールオーバー期限はこれまで2018年でしたが、2023年に延長となり、最長で2028年まで運用可能となりました。
現行NISAの非課税期間が最大で5年間延長されることになりました。(正しくロールオーバーを行った場合のみ)
なるほどなるほど
尚、ロールオーバーについての詳しい説明は、目次「ロールオーバー」をご覧ください。
つみたてNISAは「期間延長」
最後に、つみたてNISAです。
これまで、つみたてNISAでは「口座開設期間が2018年~2037年まで」となっていましたが、今回のNISA制度改正により「2042年まで延長」となりました。
現行NISAと同様に、5年間期間が延長されたんですね。
はい。尚、つみたてNISAではその他に変更点はありません。
オススメは?
こちらは、先程のNISA比較表です。
ジュニアNISA | 一般NISA | 新NISA | つみたてNISA | |
対象者 | 満20歳未満 (2023年1月1日以降は18歳未満) | 満20歳以上(2023年1月1日以降は18歳以上) | ||
口座開設期間 | 2016年~2023年まで | 2024年~2028年まで | 2018年~2042年まで | |
非課税期間 | 最長5年(※1) | 2階 5年間 1階 5年間(終了後「つみたてNISA」へ移行可能) |
最長20年 | |
対象商品 | 国内株式・外国株式・投資信託 | 2階 上場株式・公募株式投資信託等(※2) 1階 国が定めた基準を満たした投資信託 |
国が定めた基準を満たした投資信託 | |
年間投資上限額 | 80万円 | 120万円 | 2階 102万円 1階 20万円 |
40万円 |
口座開設可能数 | 1人1口座(ジュニアNISA、一般NISA、新NISA、つみたてNISAの内、選択できる制度は1つのみ。同時に重複利用不可) | |||
※1 | ロールオーバーにより、最大5年延長可能(条件あり) | |||
※2 |
レバレッジ型投資信託、及び、上場株式のうち「整理銘柄」、「監理銘柄」を投資対象から除外。 |
解説を見た後だと、より理解できますね。
ちなみに、2024年からは「新NISA」と「つみたてNISA」の2択になりますが、オススメのNISAはどちらなんでしょうか?
利用者の資産状況や考え方によって個人差はありますが、「新NISA」と「つみたてNISA」がどういった人にオススメなのか解説していきます。
投資初心者の方はつみたてNISAがオススメ
まず、つみたてNISAの特徴をまとめるとこんな感じです。
つみたてNISAの特徴
★最長で20年間非課税で保有できるため、長期投資に向いている。
★金融庁の基準をクリアした商品に限定。
★指定した間隔で積立投資・自動投資となるためタイミングに悩む必要がない。
★積立投資なのでリスク分散になる。
つみたてNISAは、非課税期間が最長20年間で新NISAの最長5年間と比較すると長期間となっています。
また、その間、はじめに積立投資の設定をしてしまえば、特にやることもなく、「ほったらかしで運用できるため、考えることが少ない」という特徴があります。
さらに、銘柄は「金融庁の基準をクリアした商品に限定」されているため、「選択肢の幅が少なく、はじめての銘柄選びも悩みが少なくて済む」という点もつみたてNISAの特徴です。
以上の内容から、つみたてNISAは、これから初めて投資の世界に参加する人にオススメできる制度だとEFFICは考えます。
ちなみに、つみたてNISAでの銘柄選びは「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)一択」です。
いつものことですが「一択」なんですね…
いろんな銘柄を見るのも勉強になって良いのではないでしょうか?
もちろん見て、学ぶことは良いことです。ですが、「S&P500」がリスク・リターンの効率(言い換えるなら費用対効果)が一番良いことは「歴史が証明」しています。もしあなたが、つみたてNISAが終わる「20年後も、アメリカが世界のトップに君臨している」と予想するのであれば「S&P500」を選ぶのがベストでしょう。(詳細については以下の記事をご覧ください。)
投資経験者の方は新NISAがオススメ
続いて、新NISAの特徴はコチラです。
新NISAの特徴
★選べる銘柄が豊富(国内上場株式、海外株式、REIT、投資信託、ETF等)
★1年間の非課税枠が122万円と大きい金額で運用できる
新NISAの最大の特徴は、「つみたてNISAで選ぶことのできた銘柄に加えて、国内上場株式、海外株式、REIT、投資信託、ETF等と、幅広い銘柄から選択できる」という点です。
つまり、「成長が著しい企業が多い、アメリカの個別株にも投資できる」ということになります。
大きなリターンが見込める可能性が高い米国株に、非課税枠を利用して投資できるのは、なかなかのメリットですね。
また、「1年間の非課税枠が122万円」と、「つみたてNISAの40万円に比べて大きい金額で恩恵を受けられる」という点も特徴です。
以上の内容から、新NISAはこんな人にオススメです↓↓
新NISAはこんな人にオススメ
・既に投資の経験がある
・資産に余裕がある
・つみたてNISAで選べない銘柄(アメリカの個別株など)に挑戦したい
・つみたてNISAよりも大きく非課税枠を利用したい
・マーケットの状況を見ながら、下がった時に一括投資をしたい
新NISAは、つみたてNISAよりも考える点が多く、投資初心者には少し荷が重いように感じます。ですが、アメリカの個別株(日本やその他の海外の個別株も可)に投資できる点など、人によってはつみたてNISA以上のメリットがあると感じる方も居るのではないでしょうか。
確かに…
1年間の非課税枠が122万円あるのも大きいですよね。
そうですね。「新NISAの特徴を活かし切れるかどうか」を考えて選択する必要がありそうです。
NISA制度の恩恵を最大限受ける方法
最後に、「NISA制度の恩恵(非課税枠)を最大限受ける方法(※投稿日時点)」について解説します。
NISA制度のルールとして、「NISA口座は、1人1口座(同時に複数利用することはできない)」となっていますが、「但し、1年に1回だけ”切り替え”が可能」という補足が記述されています。(これまでも、切り替えは可能でした。)
つまり「今年は新NISA、来年はつみたてNISA」というように、年ごとにNISA口座を切り替えられるということです。
この仕組みをうまく利用した具体例を挙げます。
①2024年から2028年までは「新NISA」を利用する
新NISAが始まる2024年から5年間、新NISAを利用します。新NISAは毎年122万円の非課税枠があるため、年間122万円×5年間=610万円の非課税枠が利用できます。
②2029年から2042年までは、「つみたてNISA」を利用する
2028年には新NISAが終了となるので、2029年からつみたてNISA切り替えます。つみたてNISAは2042年まで投資可能となっているため、年間40万円×14年間=560万円の非課税枠が利用できます。
③非課税枠は合計1,170万円に!!
上記の方法で「新NISA」と「つみたてNISA」を組み合わせて利用すると非課税枠は合計1,170万円となります。もし、2024年から2042年までつみたてNISAだけを利用した場合は、年40万円×19年間=760万円となるため、組み合わせた方が非課税枠を410万円も多く利用できる計算となります。
但し、上記の非課税枠1,170万円は「すべての期間で非課税枠を満額利用した場合」となります。「新NISA」を利用する最初の5年間は、非課税枠122万円の投資が5年間連続で毎年必要になるため、資産に相当余裕がなければなりません。(また、切り替えには手続きが必要です。)
毎年122万円の投資は厳しそうです…
ただ、新NISA利用時に、つみたてNISAの1年間の非課税枠40万円より、1円でも大きい金額で投資ができれば、上回った金額分は非課税枠が増加することになるので、検討してみる価値はあると言えるでしょう。
まとめ
今回は、「4つのNISAの比較」と「投資初心者にオススメのNISAを紹介」しました。
この記事が、少しでも皆様のNISA選びの参考になれば幸いです😌
今回も、長文をご一読頂きありがとうございました。
今後も投資に役立つ情報を見つけ次第、更新していきますので、よければまたブログに来てみてください😊
また、内容でわかりにくい点、気になる点がございましたら、お気軽にコメントやメッセージ頂ければ幸いです👍
それではまた!!

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