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これまでのS&P500をおさらい
S&P500 年初来の最安値を更新
皆さんこんにちわ。
9月27日(アメリカニューヨーク時間GMT-4)に、とうとうS&P500が2022年の年初来最安値を更新してしまいました。
さらに、9月29日に再更新、S&P500指数は3,640.47に到達しました。
引用:Google Finance
これにより、S&P500は2022年初来(1月1日以来)から、現最安値時点にかけて約-24.10%下落したことになります😦…
引用:Google Finance
本年度から投資を始めてしまった方は、タイミングは最悪だったことになります。。。積立投資であれば、まだダメージは少ないですが・・・
ちなみに、当ブログでも度々紹介しているS&P500のブル3倍型ETF「SPXL(黄)」や、テック系セクターブル3倍型ETF「TECL(青緑)」、半導体系セクターブル3倍型ETF「SOXL(オレンジ)」は、何れも大幅な下落となっています⚠️(以下画像をご参照ください)
引用:Google Finance
冷静に考えて、「SOXL」の-85.89%はヤバいです。コロナ時の下落でも-80%程度だったので、それを上回る下落率となっています💀まさかこんなに早く、下落記録を塗り替えてくるとは…
下落の原因は「利上げ」
最大の原因は「FRBによる利上げ」に尽きるでしょう。
FRBは、6月と7月に0.75%の利上げを決定しており、9月21日にも0.75%の利上げを実施。
これにより政策金利は、3.00%~3.25%となりました。
さらに、2022年末時点での予想中央値は4.40%と、年内に行われる残り2回の会合でも積極利上げを示唆。
ここから更に1.00%の利上げが行われる予想がFOMC過半数を締めていることから、市場には不安が広がり、株価に大きく影響を与えています。
まだまだ下落する要素満載です😊ヒエッ
利上げの理由は「CPI上昇」
そんな、株価に大打撃を与えているFRBによる利上げですが、これは、米国CPI(消費者物価指数)の上昇を抑える為に行われています。
アメリカの8月のCPIは8.3%と、前月の8.5%から減速したものの、民間予想の8.0%上昇を上回っている状況です。
「棒グラフ:コアCPI(前年同月比)、折れ線グラフ:総合CPI(同)」
引用:Bloomberg
この米国CPIですが、上昇し続けると「恐怖のハイパーインフレ」に突入する可能性があります。
もし、ハイパーインフレに突入してしまうとお金の価値が崩壊し、一般市民の大多数が路頭に迷うことになります。
例を挙げると、ハイパーインフレに陥ったことで有名なジンバブエのジンバブエドルは、一時、「100兆ジンバブエドル=日本円で約25~100円」の価値にまで下落。価値が下がりすぎて「100兆ジンバブエドル紙幣」なんてものも発行されていたそうです。(その後ジンバブエドルは通貨ごと消滅しています😨)
アメリカのドルは、世界で使われる基軸通貨です。
同じことがアメリカで起こってしまうと、文字通り世界が崩壊してしまう為、なんとしてでも避けなければなりません。
FRBはそうならないように、米市場の下落に目を瞑ってインフレ抑制のため利上げを行っています。
米賃貸価格(家賃)の下落がS&P500回復の兆しとなる理由
では、なぜ「米賃貸価格(家賃)の下落が、何故、S&P500回復の兆し」となるのか。
詳しく解説します。
CPIで家賃は約3割を占める重要品目
FRBが注目するCPIですが、2022年5月時点で内訳は以下のようになっています。
「米住宅価格高騰が家賃上昇を誘発 米国CPIの行く末は?」
引用:PICTET
これを見ると、「帰属家賃」と「家賃」の合計がCPIの約3割を占めていることが分かります。
「帰属家賃」とは、持ち家の人が、仮に借家だったとして、その家に家賃を支払っていると見なした場合の想定家賃です。
つまり「もし、持ち家と同等の家を借りていた場合、家賃はどうなるか」を仮定的に算出して、まとめたものが「帰属家賃」となります。みなし家賃といったところでしょうか。
これに対し、「食品」と「エネルギー」は合計22.1%となっています。
つまり、CPIの約2割を占める「食品」と「エネルギー」の下落よりも、約3割を占める「帰属家賃」と「家賃」の下落の方が、CPI全体の下落に大きな影響を及ぼすことになります。
無視できない品目と言えそうです。
家賃は常に上昇が続いている
また、重要な「帰属家賃」と「家賃」の推移は、以下のようになっています。
「米住宅価格高騰が家賃上昇を誘発 米国CPIの行く末は?」
引用:PICTET
これを見ると、2022/3以降、CPI伸び率は「総合」では一時的に下落している期間もありますが、「帰属家賃」と「家賃」は依然として上昇を続けています。
つまりこれは、同期間で「エネルギー」や「食品」の品目では下落が起きているということになります。
一時的なものではありますが、落ち着きを見せ始めている「エネルギー」や「食品」。
これに対して、上昇が止まらない「帰属家賃」と「家賃」ですが、この品目が下落することで、CPIが総合的に下落すると見られています。
家賃の推移は、住宅販売価格推移から逆算できる
ではいつ、CPIの「家賃(帰属家賃を含む)」が下がるのかについてですが、これの先行的指標と言われる指標が存在し、ここから逆算が可能となっています。
それが、「S&Pケース・シラー住宅価格指数」や「FHFA住宅価格指数」です。
これらはどちらも、住宅の販売価格の指数となります。
投資界隈では有名な指数ですね😊(知らなかったとは言えない・・・)
基本的に、販売価格が下がれば、家賃も下がるのが自然の摂理なので逆算できるということです。
家賃の下落は、2023年後半か
以下のグラフは「米国の住宅販売件数」の推移を表したものです。
「米国の住宅需要が急減、家賃インフレは来年後半から沈静化」
引用:日本総研
グラフを見ると、2022年の年初から急激に販売件数が下落していることが分かります。
これは、FRBの利上げが大きく影響していると言えます。
そして、「住宅販売件数が減る」と住宅が余って在庫が増えるため、「販売価格も下落」することになります。
そしてその結果、「家賃の低下」へと繋がります。
ではなぜ、「住宅の販売価格は下落している」のに「家賃は下落していない」のか、という疑問に繋がると思うのですが、これは、「住宅の販売価格の下落」が「家賃」に影響するまで一定のラグ(遅延)があるからです。
このラグは、「FHFA住宅価格指数」と「家賃」を比べた場合、「約15ヵ月~18ヵ月前後」になる傾向があると言われています。
以下の画像は「FHFA住宅価格指数(15ヶ月先行)」と「CPI住居費(家賃+帰属家賃)」を比較したグラフです。
「米国の住宅需要が急減、家賃インフレは来年後半から沈静化」
引用:日本総研
尚、このグラフでは、「FHFA住宅価格指数」は「家賃」の15ヶ月~18ヶ月先行する傾向にあることから、15ヶ月分、未来(グラフでは右側)ににずらして表示されています。
このグラフを見ると、「家賃」は「2023年後半頃から下落が予測される」ことが分かります。
逆に言えば、2023年後半までは「家賃」は下がりにくい状態にあると言える為、CPI全体も下落しにくい状況にあるといえます。
つまり、今年2回残されているFOMCで「まだCPIが下がっていない!!」という理由で、政策金利を4.40%とする可能性は十分に有り得るということです。(もちろん、利上げの影響を受けやすいと言われる「食料」や「エネルギー」の品目が下落しCPIを押し下げてくれれば、流れは変わるかもしれませんが。)
2022年末までのS&P500の回復は、難しいように感じます😭
まとめ
今回の記事のまとめです。
・CPI(2022/6時点)で、家賃の品目は約3割を占める(エネルギー・食品品目は約2割)
・CPIが下落するには、家賃の品目の下落が重要と言える
・家賃はFHFA住宅価格指数の15~18ヶ月後を追いかける傾向
・FHFA住宅価格指数は2022年初から下落、家賃は2023年後半頃から下落と予測
・それまでCPI高は継続する可能性が高く、次回FOMCでの利上げも予想通り行われそうである
いかがでしたでしょうか。
私EFFIC的には、CPIがなかなか下がらない原因が「家賃」の品目の高水準を維持しているという事実にあったという点で、合点がいきました。
また、これから「家賃」の品目は2023年後半頃まで高水準を維持し続けると見られる(あくまで予測)ことから、利上げの影響を受けやすいと言われる「食品」や「エネルギー」の品目の下落が、CPIに歯止めをかける主軸となるため、注目する必要がありそうです。
今回も、長文をご一読頂きありがとうございました。
定期的に投資日誌の更新を行っていきますので、よければまたブログに来てみてください😌
また、内容でわかりにくい点、気になる点がございましたら、お気軽にコメントやメッセージ頂ければ幸いです👍
それではまた!!

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